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書誌詳細
近代西本願寺を支えた在家信者 評伝 松田甚左衛門
中西直樹著
四六判 166頁 2017.09
978-4-8318-5551-0 法蔵館
税込2,052円
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西本願寺が近代化のなかで失ったものとは――

廃仏毀釈などの厳しい外圧にさらされた西本願寺を、様々な側面から支え続け、「本山のために終始一日の如く尽されたる」と称賛された在家信者・松田甚左衛門。

近代化を進める西本願寺において、多大な功績を残しながらも、なぜ彼はその歴史に埋もれてしまったのか。

これまで開明的な歴史が中心に描かれてきた近代仏教のイメージを大きく覆し、「在家信者」というこれまでに無かった視角から、近代仏教とは何か? 仏教の近代化とは何か? 仏教教団が近代化のなかで失ったものは何か? を改めて問い直す。

話題の「近代仏教」の歴史に一石を投じた意欲作!

【松田甚左衛門とは?】
近代初頭、19世紀後半の激動期の西本願寺を支え続けた在家信者。その活動は、幕末の西本願寺による御所警固への参加、維新混乱期の地方門末への使者としての活動、大谷本廟・築地別院の再建や大教校本館の建設、豊岡説教所や築地別院での布教活動や自身が組織した「弘教講」を通じての護法活動など多岐に亘る。
教団の混乱収束後も、活発な文書伝道を行い、女性教化・少年教化などの各種教化事業を手がけ、顕道学校・顕道女学院(京都女子大学の前身校)を設立するなど様々な側面から教団発展を支えたが、最終的には本山との訣別を宣言する。本山との訣別ののちは、自身の信仰のために生き、「顕道会館」(現在の京都教務所)を設立し、「民衆仏教」「在家真宗」を標榜して、在家者自身が布教主体となることを高らかに宣言するに至る。

【本書のポイント】
・西本願寺が近代化する過程において、重要な位置にあった在家信者の動向にはじめて焦点を当てる。
・島地黙雷・井上円了・清沢満之といった近代知識人としても名高い僧侶たちの思想などとは全く異なる新しい視角から「近代仏教」の歴史に迫り、新しい歴史像を示唆する。

目次:
はじめに
第一章 幕末・維新期の護法活動
  一 出生から猿ヶ辻の警固まで
  二 本山の使者として
  三 本山財政の窮乏
  四 寺務機構の改革
  五 廃仏毀釈の嵐
  六 大教院分離運動
  七 豊岡説教所の建築
第二章 弘教講取締としての活躍
  一 弘教講の結成
  二 本願寺派学制の発布
  三 地方小教校の設置
  四 大教校の建築
  五 築地別院の再建
  六 東移事件
  七 明如帰山の奉迎
  八 公選議会運動とその後
  九 佐田介石への共感と排耶運動
第三章 顕道学校と各種教化・教育事業
  一 弘教講の解散
  二 行信教校仮分校の設置
  三 顕道学校の開校
  四 顕道学校の教育方針
  五 顕道学校の存立意義
  六 顕道書院施本会と文書伝道
  七 少年教化・女性教化事業
  八 顕道女学院の設置
  九 報恩同志会
第四章 本山との離別と小川宗
  一 在家信者の意識変化
  二 本願寺への疑心
  三 品川弥二郎の忠告
  四 小川丈平との出会い
  五 小川丈平の思想
  六 加藤弘之著『仏教改革談』
  七 小川宗への弾圧
  八 東陽円月の小川宗批判
  九 小川宗のその後
 一〇 顕道会館の設立
参考史料
あとがき

著者紹介:
1961年生まれ
龍谷大学文学部歴史学科(仏教史学専攻)教授
主な業績
『仏教と医療・福祉の近代史』(法藏館、2004年)
『植民地朝鮮と日本仏教』(三人社、2013年)
『植民地台湾と日本仏教』(三人社、2016年)
『令知会と明治仏教』(共編、不二出版、2017年)

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最終更新日:
2017/11/22 18:16:03