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書誌詳細

近世仏書の文化史
西本願寺教団の出版メディア
万波寿子著
A5 439頁 2018.02
978-4-8318-6238-9 法蔵館
税込8,100円
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近世期の文化の主軸を成した出版文化の中でも、仏書(仏教関係書籍)の出版およびその主体である仏教教団の活動について論じる。近世期の仏書出版の特徴をよく示していると思われる浄土真宗本願寺派を中心に、教団の出版利用を紹介分析する。 仏書出版研究が、書物研究において有効なモデルケースとなる可能性を三部構成で示す。
 
 ■第一部 新しい仏書
仏書の歴史的変遷。近世期に入り、仏書は商品となり誰でも手に入れることができるようになった。
 ■第二部 聖教の板株を巡って
西本願寺が行った聖教蔵板活動を追う。『真宗法要』の出版経緯から、聖教による教団の統制、他寺院との争い、さらに縮刷版の流行の経緯を示す。
 ■第三部 出版制度と教団
出版問題に介入する御用書林の性質について論じる。版権細分化による、本山と民間の聖教版権状況について、また公家鑑を刊行し続けるに至る経緯を明らかにした。
 以上、本書では、西本願寺資料を駆使し、また書物の内容ではなく姿に注目することで、京都の出版文化を特徴付ける、最も個性的な教団のメディア利用の実態に迫った。

目次:
近世仏書の文化史--西本願寺教団の出版メディア--目次

 序章
  第一節 これまでの書物研究
  第二節 仏書研究の可能性
  第三節 本書の構成

■第一部 新しい仏書

 第一章 出版資本と仏教
  第一節 室町時代までの概観 
  第二節 近世期の仏教教団と出版制度
  第三節 新しい仏書の出現

 第二章 新しい仏書の展開
  第一節 享受者の拡大
  第二節 『御文』の近世出版文化
  第三節 文学と唱導

■第二部 聖教の板株を巡って

 第一章 聖教叢書『真宗法要』開版
  第一節 本山による聖教開版の機運
  第二節 『真宗法要』開版までの経緯
  第三節 『真宗法要』開版の意義

 第二章 寺院間の聖教蔵版争い
  第一節 末寺の蔵版阻止
  第二節 新しい聖教叢書の刊行

 第三章 縮刷版の流行
  第一節 ゆらぐ本の格
  第二節 偽版から中本御蔵版へ
  第三節 中本聖教の流行
  第四節 近世から近代へ

■第三部 出版制度と教団

 第一章 本山と本屋
  第一節 本山と本屋仲間
  第二節 御用書林の性質
 
 第二章 町版の多い勤行本
  第一節 玄智校訂本『浄土三部経』の板株
  第二節 本山と『正信偈和讃』町版

 第三章 公家鑑を巡る争い
  第一節 掲載順序を巡って
  第二節 新しい公家鑑および地誌の刊行

終章 文化史研究の可能性
  第一節 総括
  第二節 文化史としての仏書

図版一覧/初出一覧/あとがき/索引

著者紹介:
万波寿子(まんなみひさこ)
1977年、広島生まれ。
2007年、龍谷大学大学院 文学研究科博士課程単位取得。 
2010年、博士(文学)。
現在、龍谷大学非常勤講師・日本学術振興会特別研究員(PD)
本書収載論文の他、主要な論文に「宣長版本における版権の流れ」(『鈴屋学会報』21号、2005年)、「僧純編『妙好人伝』と大根屋改革」(『仏教文学』第34号、2010年)など


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最終更新日:
2018/04/19